【エヴァンゲリオンレーシング】エヴァ初号機仕様YZF-R7の全貌!価格、スペック、そして入手方法は?

「エヴァレーシングのYZF-R7、めちゃくちゃカッコいいけど、あれって買えるの?」「レースではどんな活躍をしてるの?」
そんな疑問や興奮の声が、SNSやバイクフォーラムで飛び交っていますね。アニメ『エヴァンゲリオン』の世界観を纏った紫と緑の鮮烈なマシンがサーキットに現れれば、ファンならずとも心が躍るのも無理はありません。しかし、その正体は意外なほど知られておらず、多くの謎と憶測に包まれています。
そもそも「エヴァンゲリオンレーシング」とは?15年の歴史を紐解く

多くの人が「エヴァのステッカーを貼っただけのチーム?」と誤解しているかもしれませんが、エヴァンゲリオンレーシングは、15年以上の歴史を持つ本格的なレーシングチームであり、非常にユニークな運営形態を持つプロジェクトです。
アニメとモータースポーツの融合
エヴァンゲリオンレーシングは、2010年4月15日にラナ エンタテインメント株式会社が、大人気アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』との公式プロモーションタイアップによって発足させたプロジェクトです 。そのコンセプトは、エヴァンゲリオンの世界観とリアルなモータースポーツを融合させること。サーキットという舞台で、作品の魅力を新たな形で表現することにあります 。
その象徴が、エヴァンゲリオン初号機をモチーフにした紫と緑のカラーリングを施したレーシングマシンです 。さらに、チームを彩るレースクイーンも、綾波レイ、式波・アスカ・ラングレー、真希波・マリ・イラストリアスといった劇中の人気キャラクターをモデルにしており、モータースポーツファンだけでなく、多くのアニメファンの心も掴み、サーキットに新しい風を吹き込みました 。

多彩なレースへの挑戦
エヴァンゲリオンレーシングの活動は、特定のカテゴリーに留まりません。その挑戦は多岐にわたります。
四輪レース
国内最高峰のGTカーレース「SUPER GT」や、市販車ベースのマシンで争われる「スーパー耐久シリーズ」に参戦。近年では「Audi RS3 LMS TCR」をベースにしたマシンで戦っています 。
二輪レース
日本最大のバイクレースの祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」にも長年参戦し、多くのドラマを生んできました 。
ドリフト競技
アメリカ発祥の人気ドリフト競技シリーズ「FORMULA DRIFT JAPAN (FDJ)」にも積極的に参戦。トヨタGR86や日産シルビアといったマシンで、タイヤスモークを上げながら華麗なテクニックを披露しています 。
2025年には結成15周年を迎え、その活動はますます勢いを増しています 。これは単なる一過性のコラボレーションではなく、モータースポーツ界に深く根差した、継続的なプロジェクトであることの何よりの証明です。
ファンが支える独自のチーム運営
このチームの最もユニークな点は、その運営方法にあります。エヴァンゲリオンレーシングは、ファンからの直接的な応援を活動資金の一部とする、ファン参加型のチーム運営を特徴としています。
応援通販サイト「サポルト」などを通じて、ファンは個人スポンサーになることができます 。スポンサーになると、リターンとして限定グッズが手に入るだけでなく、自分の名前がチームのマシンや公式サイトに掲載されることもあります。
この仕組みは、チームとファンの間に強固な絆を生み出しています。ファンは単なる観客ではなく、チームを支える一員としてレースに関わることができるのです。そして、その応援がチームの活動を支え、サーキットでの活躍につながる。この強力なサイクルこそが、エヴァンゲリオンレーシングが15年もの長きにわたりファンに愛され、活動を続けてこられた原動力と言えるでしょう。
D.I.D製のコラボチェーン 、KENTEX製の限定腕時計 、さらにはDAISOで手に入るミニカー まで、多岐にわたるグッズ展開も、このファン参加型モデルを支える重要な要素なのです。
ベース車両・ヤマハ「YZF-R7」はどんなバイク?スペックと魅力を深掘り
さて、エヴァレーシングとのコラボで注目を集めるヤマハ「YZF-R7」ですが、このバイク自体が非常に個性的で魅力的な一台です。ここでは、そのベース車両としての実力と特徴を詳しく見ていきましょう。
伝説の始まり 1999年の初代YZF-R7(OW-02)
現行モデルを語る前に、その名の由来となった伝説の初代モデルに触れておきましょう。1999年に登場した初代「YZF-R7(OW-02)」は、レースで勝つことだけを使命として生まれました。スーパーバイク世界選手権のホモロゲーションモデルとして、全世界で僅か500台のみが限定生産されたのです。心臓部には、チタン製コンロッドなどを奢った749cc並列4気筒エンジンを搭載。公道仕様のスペック以上に、レースキットを組み込むことで真価を発揮する純血のレーシングマシンであり、その希少性とスパルタンな成り立ちから、今なお多くのライダーの憧れとして語り継がれています。

R7の帰還 2022年の2代目YZF-R7

ヤマハがYZF-R7に与えたコンセプトは「Your Super Sport」。つまり、「あなたのためのスーパースポーツ」です。これは、サーキットのラップタイムを削るためだけに存在するプロ向けの先鋭的なマシンではなく、もっと幅広いライダーがワインディングやサーキットで「操る楽しさ」を存分に味わえるように設計されたモデルであることを意味します 。
2022年に発売されたYZF-R7は、ヤマハのスポーツバイク「YZF-Rシリーズ」において、250ccクラスのYZF-R25/R3と、最高峰モデルのYZF-R1との間を埋める重要な役割を担っています 。
「MT-07にカウルを付けただけでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。スーパースポーツの名にふさわしく、足回りにはインナーチューブ径41mmの倒立式フロントサスペンションや、強力な制動力を発揮するラジアルマウントブレーキキャリパーを採用 。さらに、スムーズなシフトダウンを助けるアシスト&スリッパークラッチも標準装備されています 。
デザインコンセプトは「Skinny Proportion for Perfect Control(完璧なコントロールのためのスキニーなプロポーション)」。その名の通り、非常にスリムで引き締まった車体が特徴で、シャープなカウルとM字型ダクトに配置された中央のLEDヘッドライトが、紛れもないRシリーズのDNAを主張しています 。
詳細スペック一覧
ここで、現行のYZF-R7の基本スペックを一覧表にまとめました。購入を検討している方や、他のバイクとの比較をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
項目 | スペック |
エンジン | |
型式 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・直列2気筒 |
総排気量 | 688cc |
最高出力 | 54kW(73PS)/8,750r/min |
最大トルク | 67N・m(6.8kgf・m)/6,500r/min |
車体 | |
全長/全幅/全高 | 2,070mm/705mm/1,160mm |
シート高 | 835mm |
車両重量(装備) | 188kg |
足回り | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
サスペンション(前) | テレスコピック(倒立フォーク) |
サスペンション(後) | スイングアーム(リンク式) |
ブレーキ(前/後) | 油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク |
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17M/C (58W) |
タイヤサイズ(後) | 180/55ZR17M/C (73W) |
その他 | |
燃料タンク容量 | 13L |
燃料消費率(WMTCモード値) | 24.6km/L |
メーカー希望小売価格 | 1,054,900円(消費税10%込) |
幻のコラボマシン「エヴァRT初号機 YZF-R7」の正体
いよいよ本題です。多くのファンを魅了し、そして混乱させている「エヴァRT初号機 YZF-R7」。その正体を、ここで完全に明らかにします。結論から言うと、このマシンはあなたが想像しているものとは少し違うかもしれません。
市販モデルではない「デモ車両」
多くの人が最も知りたいであろうこの問いへの答えは、「ノー」です。「エヴァRT初号機 YZF-R7」は、市販を目的とした車両ではありません 。
その正体は、エヴァンゲリオンレーシングがイベントなどで使用するために製作した、展示・広報用の「デモ(デモンストレーション)車両」なのです 。
このマシンは、鈴鹿8時間耐久ロードレースなどのイベント会場でチームのブースに展示されたり、特別なファンサービスとして開催されるパレードランで使用されたりします 。つまり、チームのプロモーション活動を盛り上げるための、いわば「走る広告塔」としての役割を担っているのです。
したがって、このマシンがヤマハやバイク販売店で販売されることはなく、レースに実際に出場して順位を争うこともありません。
エヴァンゲリオンレーシングのレースマシンは?

「じゃあ、エヴァレーシングが鈴鹿8耐で使っているバイクは何なの?」という疑問が湧きますよね。実は、エヴァレーシングが二輪レースで走らせてきたマシンは、YZF-R7ではありません。
長年にわたり、チームは愛知県の有力チーム「TRICK STAR Racing」とタッグを組み、**カワサキの「Ninja ZX-10R」および「ZX-10RR」をベースにしたマシンで鈴鹿8耐を戦ってきました 。こちらももちろん、初号機カラーの紫と緑にペイントされています。
さらに近年では、前年度のクラス優勝チームである「TONE Team4413」と組み、エヴァ2号機をイメージした赤色のBMW「M1000RR」で参戦するなど、パートナーチームや使用マシンは年度によって変化します 。
このように、エヴァレーシングの二輪レース活動は、特定のメーカーに縛られるのではなく、その時々で最適なパートナーと組む柔軟な体制を採っています。
この事実関係を整理すると、YZF-R7のデモ車両は、チームのマーケティング戦略上、非常に巧みな一手であることがわかります。YZF-R7は、発売以来高い注目を集める人気車種です。このバイクをプロモーションに起用することで、既存のレース活動とは別に、ヤマハファンやYZF-R7のオーナーといった新しい層にアプローチし、チームへの関心を喚起することができます。これは、ファンからの応援を活動の糧とするチームにとって、極めて重要な戦略なのです。
混乱を避けるため、事実を以下の表にまとめました。
項目 | エヴァRT初号機 YZF-R7 |
車両名 | エヴァRT初号機 YZF-R7 |
ベース車両 | ヤマハ YZF-R7 |
位置づけ | 展示・パレード走行用のプロモーション車両 |
市販の有無 | なし(非売品) |
レース参戦 | なし |
実際のレース車両(例) | Kawasaki Ninja ZX-10RR, BMW M1000RR など |

エヴァ仕様YZF-R7の価格は?入手方法や体験プランを徹底調査
「市販されていないのは分かった。でも、どうにかして手に入れたり、乗ったりする方法はないの?」そう考えるのがファン心理ですよね。ここでは、その価格と入手(体験)方法について、調査結果を詳しくお伝えします。
購入は不可能、でも「体験」はできる
前述の通り、この特別なYZF-R7を購入することは不可能です。しかし、お金で買えない価値を提供するのがエヴァンゲリオンレーシングの真骨頂。「所有」はできなくとも、「体験」するチャンスは用意されています。
その唯一の方法が、鈴鹿8耐などのビッグイベントに合わせて企画される、**数量限定の「プレミアム体験プラン」**に参加することです 。
例えば、過去に「サポルト」で販売されたプランの中には、「VIP 8耐マシン体験走行パック」というものが存在しました。価格は**275,000円(税込)で、このプランの目玉特典として、「エヴァRT初号機YZF-R7でのパレードラン参加権」**が含まれていました 。
もちろん、この価格にはパレードランだけでなく、レース期間中のパドックパスやVIPルームでの観戦、限定グッズなど、まさにVIP待遇の特典が満載です 。非常に高額ではありますが、世界に一台のマシンを聖地・鈴鹿サーキットで走らせることができるという、ファンにとっては夢のような体験ができる唯一の機会なのです。
参考 標準モデルのYZF-R7の価格
この体験プランがいかに特別なものかを理解するために、市販されている標準モデルのYZF-R7の価格を見てみましょう。
ヤマハが設定しているメーカー希望小売価格は、1,054,900円(消費税10%込)です 。
ただし、これはあくまで車両本体の価格。実際に購入する際は、これに加えて登録諸費用や自賠責保険料、納車整備費用などが必要になります。そのため、販売店での乗り出し価格(支払総額)は、一般的に110万円台から120万円台になることが多いようです 。
約27万円の体験プランと、約110万円の車両本体。どちらが高いか安いかという単純な話ではありません。これは、「特別な一日の思い出」と「日常の相棒」という、全く異なる価値への投資と言えるでしょう。
【体験談】実際にエヴァ仕様のYZF-R7を見てきた!

さて、ここまでエヴァレーシングとの関係を中心に解説してきましたが、2025年8/1~3日に鈴鹿サーキットで行われた鈴鹿8時間耐久レースで展示されていたエヴァンゲリオンレーシングのYZF-R7(エヴァ仕様)を実際に見てきた感想をお話しようと思います。
バイク版エヴァ初号機に相応しい機体
今回鈴鹿サーキットで展示された実機からは、その凄まじいまでの作り込みを垣間見ることができました。光の加減で妖しく表情を変えるメタリックパープルと、脳裏に焼き付くような蛍光グリーンの対比。それはエヴァンゲリオン初号機を完璧に再現できていました。サイドカウルに輝く「EVA RACING」のロゴや、ホイールリムにまで施された精密なグラフィックは、このマシンが特別な一台であることを物語っています。
「自分だけのエヴァR7」は作れる?カスタムパーツや外装キットの世界
「公式のデモカーが買えないなら、自分で作ればいいじゃないか!」
そう考えた情熱的なあなたへ。その夢、決して不可能ではありません。幸いなことに、YZF-R7には豊富なカスタムパーツが存在し、「自分だけのエヴァR7」を製作する道が拓かれています。
公式からサードパーティまで豊富な選択肢
カスタムの面白いところは、その選択肢の多さにあります。
まず、ヤマハ自身がYZF-R7用の高品質な外装セットを販売しています。例えば、レース車両のカラーリングを彷彿とさせる「YAMALUBE外装セット」や、全日本ロードレース選手権で戦う中須賀選手のレプリカカラーを再現した「YAMAHA FACTORY RACING TEAM フェアリングキット」などが過去にリリースされました 。これらはエヴァカラーではありませんが、メーカー公式のクオリティで外装を一新できるという点で非常に魅力的です。
もちろん、社外品(サードパーティ)に目を向ければ、その選択肢は無限に広がります。マフラーやステップ、エンジンチューニング用のサブコンピューター(ラピッドバイクなど)といった性能を向上させるパーツから、レバーやスクリーンといったドレスアップパーツまで、世界中のメーカーがYZF-R7用の製品を開発・販売しています 。
レプリカ製作の現実的なステップ
では、具体的にエヴァ初号機レプリカを製作するには、どのような手順が必要になるでしょうか。現実的なステップを考えてみました。
- ベース車両の用意
まずは、ノーマルのYZF-R7を手に入れます。 - カラーリング(塗装 or ラッピング)
レプリカ製作の核となる部分です。方法は大きく分けて2つ。一つはプロによるカスタムペイント。もう一つは、デザインを印刷したフィルムを貼り付ける「ラッピング」です。ラッピングは、比較的コストを抑えられ、後で元に戻すことも可能なため、有力な選択肢となるでしょう。もちろん、カラーは初号機を象徴する紫と緑が基本です。 - ロゴ・デカールの製作
「EVANGELION RACING」や「NERV」のロゴ、そして「TULTEX」や「レンタル819」といったスポンサーロゴのデカール(ステッカー)が必要です 。これらは、カッティングシートなどを製作してくれる専門業者に依頼して、データから作成してもらうのが一般的です。 - 仕上げのパーツ交換
細部にもこだわると、完成度が格段に上がります。例えば、エヴァンゲリオンレーシングとD.I.Dがコラボした限定チェーンは、まさにうってつけのパーツです 。その他、紫や緑のアルマイト加工が施されたレバーやステップなどに交換するのも良いでしょう。
費用と手間はかかりますが、情熱さえあれば、世界に一台だけの、あなたとシンクロ率100%の「エヴァR7」をその手にできるのです。
まとめ
長くなりましたが、最後にこの記事の要点をまとめます。
- エヴァンゲリオンレーシングは、アニメとモータースポーツを融合させた、ファン参加型のユニークなプロモーションチームである。
- ベース車両のヤマハ「YZF-R7」は、鋭いハンドリングが魅力だが、ポジションはかなりアグレッシブな中級者以上向けのバイク。
- 話題の「エヴァRT初号機 YZF-R7」は市販されていない展示・イベント用のデモ車両である。
- 購入はできないが、高額なVIPプランでパレード走行を体験することは可能。
- カスタムパーツや外装キットは豊富で、情熱があれば「自分だけのエヴァR7」を製作することは夢ではない。
この記事でエヴァレーシングとYZF-R7の魅力に触れ、その世界観の深さを感じていただけたなら幸いです。まずはヤマハの販売店でYZF-R7に試乗して、その鋭いハンドリングを体感してみてはいかがでしょうか。そこから、あなただけの「シンクロ率」を高める物語が始まるかもしれません。最高のバイクライフを、ぜひその手で掴んでください!
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