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【福井ツーリングおすすめ15選】絶景ロードからご当地グルメまでライダー目線の完全ガイド

目次

なぜ福井はライダーを魅了するのか?

日本列島のほぼ中央に位置する福井県。その名をツーリングマップで見たとき、どのような道を想起するであろうか。リアス式海岸の複雑な入り江を縫うように走る潮風の道か。あるいは、静寂に包まれた深い森と湖畔を駆け抜けるワインディングロードか。そのどちらもが、福井の持つ抗いがたい魅力なのである。

福井のツーリングには、二つの側面が存在する。一つは、日本海の荒波が創り上げた断崖絶壁や奇岩が連なる「海岸線の道」だ。息をのむようなオーシャンビューと、新鮮な海の幸がライダーを待ち受けている。もう一つは、白山連峰へと連なる緑深き「山間の道」である。歴史ある古刹や城、そして太古のロマンを感じさせる恐竜の聖地が、豊かな自然の中に溶け込んでいるのだ。

本稿では、auto819.comがライダー諸氏の検索データを徹底的に分析し、「絶景」「グルメ」「おすすめルート」といった現実的な要求に応えるべく、福井ツーリングで断じて外すことのできない15の体験を厳選した。海岸線をひた走る爽快なルートから、山間の歴史探訪、そして旅の疲労を回復させる絶品ご当地グルメまで、ライダーの視点から完全な案内を行うものである。自身の愛車と共に、まだ見ぬ福井の道へと走り出すべきである。


日本海の鼓動を感じる│越前・若狭海岸 絶景ツーリング

福井のツーリングを語る上で、日本海沿岸のルートは絶対に外すことはできない。特に近年、ライダーにとって革命的ともいえる変化が起きている。かつて有料であった県内屈指の絶景道「三方五湖レインボーライン」や「越前・河野しおかぜライン」が無料開放されたのである。これは、最高の景色を、最良の条件下で、しかも気軽に享受できる「ゴールデンタイム」の到来を意味する。交通量が比較的少ない今こそ、これらの伝説的な道を走り尽くす絶好の好機なのだ。

越前海岸 & 越前・河野しおかぜライン│日本一の海岸線との呼び声も高い、至高のシーサイドロード

福井の海岸線を代表する国道305号、通称「越前海岸」。ここは、荒々しい奇岩が続く区間と、穏やかな漁村の風景が交互に出現する、変化に富んだルートである。特に日本海に沈む夕日の美しさは格別であり、多くのライダーやドライバーを魅了し続けている。

この越前海岸ツーリングの白眉となるのが、敦賀市と南越前町を結ぶ約9.2kmの「越前・河野しおかぜライン」である。この道の魅力は、単なるオーシャンビューではない。多くの人々が日本海に抱く「荒々しい」という先入観を覆す、あたかも南国の海を彷彿とさせる透明度の高いアクアブルーの海が広がっているのだ。

特筆すべきは、その走行環境である。かつて有料道路であったため、道は高規格に整備されており、信号もほとんど存在しない。さらに、主要交通路は隣接する国道8号線が担っているため交通量が極めて少なく、あたかも自分のためだけに用意されたかのような爽快なライディングを心ゆくまで満喫することが可能である。まさに「秘密の絶景バイクロード」と呼ぶにふさわしい、ライダーのための道と言える。

ベストシーズン春~秋(特に夕景が美しい夏)
住所福井県南条郡南越前町~敦賀市
駐車場(バイクについて)沿線に無料の展望駐車場が複数あり、バイクも問題なく駐車可能。

ライダーズ・アドバイス│ 景色は南国的であるが、ここは紛れもなく日本海である。天候が荒れると、道路にまで波しぶきが到達することがあり、通行止めとなる事例も少なくない。ツーリング前には必ず道路交通情報を確認することが推奨される。


東尋坊│断崖絶壁だけではない!スリルと感動が同居する福井の象徴

福井の代名詞ともいえる景勝地、東尋坊。高さ20mを超える断崖絶壁が約1kmにわたって続く光景は、まさに圧巻の一言である。世界でも稀な輝石安山岩の柱状節理(ちゅうじょうせつり)という地質学的に貴重な地形で、その荒々しくも美しい姿に誰もが息をのむ。

しかし、東尋坊の魅力は崖の上から景色を眺めるだけではない。崖の下には活気あふれる商店街が広がり、新鮮な海の幸を堪能できる食堂や土産物店が軒を連ねている。また、遊覧船に乗船し海上から断崖を見上げるのも、陸からとは全く異なる迫力を体感できるため推奨される。

そして、ライダーにとって注目すべきは「パッケージ・ディール」としての楽しみ方である。東尋坊から目と鼻の先にある「雄島(おしま)」へは、美しい朱色の雄島橋を渡って歩いて行ける。島内には大湊神社や遊歩道が整備されており、バイクを降りて少し散策するには最適だ。東尋坊の動的な景観とは対照的な、静かで神秘的な時間を過ごすことが可能である。

ベストシーズン通年(特に夕日が美しい夏・秋)
住所福井県坂井市三国町安島
駐車場(バイクについて)周辺に有料・無料の駐車場が混在。土産物店の駐車場を利用できる場合もあるが、市営駐車場(バイク有料)の利用が確実。

三方五湖レインボーライン│天空の回廊から望む五色の湖

2022年10月1日、福井のツーリングシーンに新たな歴史が刻まれた。若狭湾国定公園を代表する絶景道「三方五湖レインボーライン」が、完全無料開放されたのである。全長11.4kmのこの道は、美浜町と若狭町にまたがり、その名の通り三方五湖の絶景を眼下に見下ろしながら走る天空の回廊である。

三方五湖は、それぞれ水深や塩分濃度が異なるため、湖面の色が微妙に異なって見え、「五色の湖」とも呼ばれている。ラインの途中からは、内海の穏やかな湖と、外海の雄大な若狭湾の両方を一度に望むことができ、そのパノラマビューは圧巻だ。

この道の目的地となるのが「レインボーライン山頂公園」である。道路の通行は無料であるが、公園への入場には別途料金が必要となる。しかし、その価値は十分にある。リフトかケーブルカーで登った先には360度の大パノラマが広がるテラスやカフェがあり、まさに天空の楽園である。そしてライダーにとって特筆すべき情報として、バイクで来場すると入園料が割引になるサービスが存在する模様だ(例:1000円が500円に)。春には桜、初夏にはバラが咲き誇り、季節ごとに異なる表情を見せるのも魅力となっている。

ベストシーズン春(桜)、5月~6月(新緑)、秋(紅葉)
住所福井県三方郡美浜町日向~三方上中郡若狭町海山
駐車場(バイクについて)山頂公園に有料駐車場あり。バイク料金設定あり。

エンゼルライン│若狭湾を一望!走りごたえ抜群のヒルクライムロード

技巧的な走りを愛するライダーに挑戦状を叩きつけるのが、この「エンゼルライン」である。小浜市の内外海(うちとみ)半島にあり、久須夜ヶ岳(くすやがたけ)の山頂まで続く全長9.7kmのヒルクライムロードは、十分な走りごたえを持つ。

苦労して登った先にある褒賞は、若狭湾を一望する絶景である。山頂の展望台からは、天候が良ければ東は越前岬から西は丹後半島まで見渡せる、息をのむようなパノラマが広がる。道中には、狼が遠吠えしているように見えることから命名された「大狼岩(おおかみいわ)」という巨岩もあり、撮影地点としても楽しむことができる。

ベストシーズン4月下旬~11月上旬(冬季閉鎖)
住所福井県小浜市内外海半島
駐車場(バイクについて)山頂に無料駐車場あり。バイクも駐車可能。

ライダーズ・アドバイス│ この道は景色だけでなく、路面にも注意が必要である。「落石多し、スピード注意!」という報告があり、特に下りはラインが山側になるため、大小の石や砂利が散乱していることがある。絶景に気を取られすぎず、安全運転を心がけるべきである。また、通行は19時まで、冬期(例年12月1日~3月31日)は閉鎖されるため、事前の情報確認が必須である。


呼鳥門 & 鉾島│自然が創り出したアートを巡るフォトジェニック・スポット

越前海岸沿いには、思わずバイクを停めてカメラを向けたくなるような、自然の芸術作品が点在している。

その代表格が「呼鳥門(こちょうもん)」だ。日本海の波風が長い年月をかけて創り出した巨大な天然の隧道で、その規模には圧倒される。ライダーにとって興味深いのは、かつてこの岩の隧道の中を国道が通っていたという事実である。現在は迂回する新しい隧道が建設され、呼鳥門は安全に散策できる公園として整備されており、ツーリングの休憩に最適な地点となっている。

もう一つ、少し冒険的な気分を味わいたいのであれば「鉾島(ほこじま)」が推奨される。こちらも柱状節理でできた高さ約50mの岩の島であるが、驚くべきことに頂上まで歩いて登ることが可能なのだ。バイクを降り、ごつごつした岩肌を登る非日常的な体験は、きっと忘れられない思い出となるに違いない。夕日の名所としても知られている。

ベストシーズン通年
住所呼鳥門:福井県丹生郡越前町梨子ヶ平 / 鉾島:福井市南菅生町
駐車場(バイクについて)呼鳥門、鉾島ともに無料駐車場あり。バイクも駐車可能。

緑深き山塊を巡る│奥越路と歴史探訪ツーリング

福井の魅力は海だけではない。県東部に広がる大野市・勝山市を中心とした「奥越(おくえつ)」地域は、近年、交通インフラの劇的な進化により、ライダーにとって新たな聖地となりつつある。中部縦貫自動車道や冠山トンネルといった新しい道の開通は、この地域のツーリング地図を塗り替えたのだ。特に、旧道となった国道158号線は、交通量が激減し、あたかもライダーのために用意されたかのような快走路へと変貌を遂げたのである。恐竜、城、古社といった魅力的な地点が密集するこの地域は、一日で太古から近世までの歴史を駆け巡ることができる、まさに「歴史と冒険のツーリングクラスター」である。

九頭竜湖│雄大な人造湖と走りやすいワインディングロード

岐阜県との県境に広がる、日本有数の規模を誇る人造湖「九頭竜湖」。その雄大な景観は、四季折々にライダーの目を楽しませてくれる。特に、山々が芽吹く5月~6月の新緑の季節、そして燃えるような赤や黄色に染まる10月下旬からの紅葉シーズンは圧巻である。

この湖の畔を走る国道158号線は、適度な曲線が続く極上のワインディングロードとして知られている。そして今、この道はライダーにとって最高の状態にある。並行して走る中部縦貫自動車道が開通したことにより、大型トラックや一般車両の多くがそちらへ流入した。その結果、旧道となった国道158号線は交通量が激減し、「バイクかスポーツカーか地元民しかいない」と言われるほど、静かで走行しやすい道へと生まれ変わったのだ。広々とした2車線の道を、湖と山の絶景を独占しながら駆け抜ける快感は、何物にも代えがたい体験である。

道中には、高さ128mを誇る巨大な「九頭竜ダム」や、交通量がほとんどなくバイクの記念撮影に最適な吊り橋「夢のかけ橋」といった見どころも点在する。

ベストシーズン5月~6月(新緑)、10月下旬~11月中旬(紅葉)
住所福井県大野市箱ケ瀬
駐車場(バイクについて)沿線に無料駐車場が点在(九頭竜ダムサイトなど)。バイクも駐車可能。

道の駅 九頭竜│ライダーが集う山間の聖地

奥越ツーリングの拠点として、絶対に外せないのが「道の駅 九頭竜」である。週末ともなれば駐車場は自動車よりバイクの方が多くなるほどの人気ぶりで、まさにライダーの聖地と呼ぶにふさわしい場所だ。

この道の駅の象徴は、何と言っても動くティラノサウルスの親子像である。多くのライダーがここで愛車と共に記念撮影を行うのが定番となっている。ただし、この恐竜像は積雪による損傷を防ぐため、例年11月下旬から4月上旬までは倉庫に格納されるので注意が必要だ。

施設の評価としては、ライダーにとって非常に実用的な情報が存在する。バイク専用とも思えるほど広大な駐車空間が確保されており、50台以上は余裕で駐車可能である。一方で、食事処は蕎麦やうどんなどの軽食に限定され、手洗いも隣接するJR駅と共用でやや古さが感じられるとの声もある。本格的な食事を望む場合は、この先の勝山市や大野市街地まで足を延ばす計画を立てておくと良いだろう。

ベストシーズン通年(恐竜像は4月上旬~11月下旬)
住所福井県大野市朝日26-30-1
駐車場(バイクについて)広大な無料駐車場あり。バイク専用スペースに近いエリアも存在し、多数駐車可能。

福井県立恐竜博物館│大人も童心に帰る、世界級の感動体験

「恐竜王国」福井が世界に誇るのが、この「福井県立恐竜博物館」である。カナダ、中国の博物館と並び「世界三大恐竜博物館」と称される、まさにワールドクラスの施設だ。銀色に輝く巨大なドーム型の建物自体が未来的であり、内部に入ると地下1階の展示室まで一気に下る長いエスカレーターが、これから始まる冒険への期待感を高揚させる。

館内には、40体以上もの恐竜の全身骨格が立ち並び、その迫力に圧倒される。中でも、写実的な動きと鳴き声で迫るティラノサウルスのロボットは必見である。子供だけでなく、大人も思わず童心に帰って夢中になることは間違いない。

ライダーにとって極めて重要な点は、約1,200台を収容できる広大な駐車場が無料で利用できることである。これはツーリングの計画を立案する上で大きな利点となる。また、時間がなく入館できない場合でも、館外の無料エリアに設置された実物大の恐竜像などを見るだけでも十分に楽しむことが可能である。

ベストシーズン通年(屋外は春・秋が快適)
住所福井県勝山市村岡町寺尾51-11
駐車場(バイクについて)約1,200台収容の無料大駐車場あり。バイクも問題なく駐車可能。

越前大野城│雲海に浮かぶ「天空の城」

奥越のもう一つの象徴が、亀山にそびえる「越前大野城」である。この城が最も幻想的な姿を見せるのが、秋から冬にかけての早朝だ。特定の気象条件が揃った時に現れる雲海に城が浮かぶ光景は「天空の城」と呼ばれ、多くの写真家や観光客を魅了する。

もちろん、天空の城が見られない時期でも、その魅力は色褪せることはない。城からの眺望もさることながら、城下町の散策がまた格別である。「北陸の小京都」とも呼ばれる風情ある町並みには、武家屋敷や美しい石畳の通りが残り、ゆったりとした時間が流れている。

ベストシーズン通年(雲海は10月~4月頃の早朝)
住所福井県大野市城町3-109
駐車場(バイクについて)城下町に無料・有料の駐車場が点在。バイク専用スペースはないが駐車場所に困ることは少ない。

駐車場情報│ 城山の麓に複数の駐車場が存在する。「越前おおの結(ゆい)ステーション」の駐車場は有料であるが(入庫後30分無料、以降有料)、「亀山南駐車場」や「亀山西駐車場」など無料の駐車場も点在している。バイク専用の駐車区画に関する明確な情報はないが、駐車空間には比較的余裕があるため、現地で標識を確認すれば問題なく駐車できるであろう。


平泉寺白山神社│息をのむ「苔の絨毯」が広がる神秘の森

勝山市にある「平泉寺白山神社」は、華やかさはないが、一度訪れたら忘れられない強烈な印象を残す場所である。約1300年の歴史を持つこの神社の境内は、一面が緑の苔に覆われており、その光景は「苔の絨毯」と称されている。

一歩足を踏み入れると、そこはあたかも別世界である。静寂に包まれた空気、高くそびえる杉木立、そしてどこまでも続く緑の苔が、神秘的で荘厳な雰囲気を醸し出している。苔むした石畳の参道をゆっくりと歩けば、日々の喧騒を忘れ、心が洗われるような感覚になるだろう。

ベストシーズン梅雨時期~夏(苔が最も美しい)、秋(紅葉)
住所福井県勝山市平泉寺町平泉寺56
駐車場(バイクについて)無料駐車場あり。バイクも駐車可能。

駐車場情報│ 第1駐車場、第2駐車場、そして「そば処まつや」前にも駐車空間があり、無料で利用できる。自動車用の収容台数が案内されているが、バイクであれば問題なく駐車できる広さがある。


走るだけではもったいない│福井の鉄板ツーリンググルメ

ツーリングの醍醐味は、走行することだけではない。その土地ならではの味を堪能することも、旅の大きな楽しみの一つである。福井には、単なる食事ではなく、その土地の歴史や文化に根差した「ソウルフード」と呼ぶべき食文化が存在する。それらは、わざわざ目指して走る価値のある、旅の目的地そのものなのである。

ソースカツ丼│福井のソウルフード!元祖「ヨーロッパ軒」は必食である

福井で「カツ丼」を注文すると、卵でとじられたものではなく、ソースがかかったカツ丼が供される――これは福井県民にとっては常識である。その文化を創り上げたのが、100年以上の歴史を誇る元祖「ヨーロッパ軒」なのだ。

ヨーロッパ軒のソースカツ丼は、一般的な厚切りのとんかつとは一線を画す。薄く切り出された上質な豚肉に、きめ細かい特製のパン粉を付けてカラッと揚げ、ドイツ由来のウスターソースを基本とした秘伝のタレにくぐらせて熱々のご飯の上に載せる。この単純ながらも奥深い味わいが、長年にわたり県民に愛され続けている理由である。

初めて訪れるのであれば、カツ丼は勿論のこと、エビフライとメンチカツも一緒に味わえる「3種盛スペシャルカツ丼」や、メンチカツが主役の「パリ丼」も推奨される。福井市内の総本店をはじめ、県内各地に「のれん分け」された店舗があるため、ツーリングルートに合わせて立ち寄りやすいのも利点である。

ベストシーズン通年
住所(総本店)福井県福井市順化1-7-4
駐車場(バイクについて)専用駐車場なし。近隣のコインパーキングを利用。【不明】

越前おろしそば│辛味大根が決め手!さっぱりヘルシーなご当地蕎麦

夏の暑い日のツーリングや、やや脂っこい食事の後に恋しくなるのが、福井のもう一つの名物「越前おろしそば」である。冷たい蕎麦に、だしをかけ、たっぷりの鰹節とネギ、そしてこの蕎麦の味の決め手となる「辛味大根」のおろしをのせて食す、素朴ながらも滋味深い一品だ。

ピリリとした辛味大根の刺激と、蕎麦の風味が口の中に広がり、さっぱりとした後味は格別である。長時間のライディングで疲労した体にもすっきりと染み渡る。県内には数多くの蕎麦の名店があり、ライダーにとって重要な駐車場を完備した店も少なくない。中には、「つるきそば」のようにミニソースカツ丼とのセットメニューを提供している店もあり、福井の二大グルメを一度に味わうという贅沢な選択も可能である。


敦賀の海鮮丼│港町で味わう、新鮮そのものの海の幸

関西や中京方面からの玄関口となる港町・敦賀。ここに立ち寄るならば、新鮮な海の幸を味わわない手はない。敦賀港で水揚げされたばかりの旬の魚介を、これでもかと盛り付けた海鮮丼は、まさに至福の一杯である。

特に有名なのが、敦賀水産卸売市場の前にある「どんと屋」だ。開店前から行列ができるほどの人気店で、その味は折り紙付きである。早朝から営業しているため、朝食ツーリングの目的地としても最適だ。ただし、大変な人気のため、時間に余裕を持って訪れることを強く推奨する。

その他にも、敦賀駅前の複合施設「otta」内にありアクセス抜群の「魚とごはん ますよね」や、美しい盛り付けが評判の「うお吟」など、実力店がひしめき合っている。敦賀駅周辺や、市場「日本海さかな街」には多くの海鮮料理店が集積しているので、その日の気分や予算に合わせて選ぶことができる。

ベストシーズン通年(旬の魚介は季節による)
住所(どんと屋)福井県敦賀市若葉町1-1531
駐車場(バイクについて)敦賀水産卸売市場の駐車場を利用可能。バイクも駐車可。

ライダー心をくすぐる寄り道スポット

主要ルートを快走するのも良いが、時にはバイクを停め、その土地の歴史や空気に触れる寄り道もツーリングの楽しみを深化させる。福井には、そんなライダーの心をくすぐる魅力的な立ち寄り地点が点在している。

熊川宿│鯖街道の面影を残す、美しい宿場町

若狭湾で獲れた鯖を京都まで運んだ古の道「鯖街道」。その経路上にあり、今もなお宿場町の面影を色濃く残しているのが「熊川宿」である。重要伝統的建造物群保存地区に選定された町並みは、あたかも時代劇の撮影装置のようである。

バイクを駐車場に停め、水路が流れる街道をゆっくりと歩けば、時間を遡ったかのような感覚に包まれる。約1時間から1時間半もあれば十分に散策でき、ツーリングの合間の冷却時間に最適な地点である。駐車場も整備されており、気軽に立ち寄れるのが利点だ。

ベストシーズン通年(新緑の春、紅葉の秋が特におすすめ)
住所福井県三方上中郡若狭町熊川
駐車場(バイクについて)無料駐車場あり。バイクも駐車可能。

瓜割の滝│名水百選に選ばれた、涼やかな癒しスポット

夏のツーリングで火照った体を冷却したいのであれば、「瓜割の滝」が最良の選択肢である。その名の由来は「あまりの水の冷たさに、冷やしておいた瓜が自然に割れてしまった」という伝説から来ている。

全国名水百選にも選ばれた清らかな水が、苔むした岩肌を流れ落ちる光景は非常に幻想的である。滝の周辺は夏でもひんやりとした空気に包まれており、まさに天然の冷却装置だ。入園は無料で駐車場も完備されており、気軽に立ち寄れる癒やしのオアシスである。名水を一口味わえば、体の中から爽快になることであろう。

ベストシーズン夏(涼を求めるなら)、秋(紅葉)
住所福井県三方上中郡若狭町天徳寺
駐車場(バイクについて)無料駐車場あり。バイクも駐車可能。

このまま走れる│福井満喫モデルコース提案

ここまで紹介してきた地点をどう連結すべきか。そんなライダーのために、そのまま走行可能なモデルコースを2つ提案する。どちらも人気の「日帰り」を想定した行程である。

A. 海岸絶景・満喫日帰りコース

テーマ│ 福井が誇る海岸線の絶景を、無料化された絶景道を中心に一日で走り尽くす行程。

ルートプラン

  • スタート (敦賀市) 早朝に敦賀入り。まずは「どんと屋」で豪華な海鮮丼の朝食をとる。
  • 北上 (越前・河野しおかぜライン) 腹ごしらえを済ませたら、国道8号から「越前・河野しおかぜライン」へ。南国のような青い海を横目に快走する。
  • 散策 (越前海岸) 国道305号をさらに北上。「呼鳥門」でバイクを停め、自然の造形美を背景に記念撮影を行う。
  • ハイライト (東尋坊) 福井の象徴「東尋坊」に到着。断崖絶壁の迫力を楽しんだ後、朱色の橋を渡り「雄島」を散策する。
  • フィナーレ (三方五湖レインボーライン) 日が傾きかけたら、若狭方面へ。無料化された「三方五湖レインボーライン」を駆け上がり、山頂公園から日本海に沈む夕日を眺める。

グルメ│ 敦賀の海鮮丼、越前海岸の海鮮料理。 想定距離・時間│ 約150km、走行時間 約4~5時間(休憩・観光時間を除く)。

B. 奥越・歴史と大自然満喫コース

テーマ│ 新緑や紅葉が美しい山間部を走り抜け、恐竜・城・古社といった奥越の歴史ロマンを巡る行程。

ルートプラン

  • スタート (国道158号) 大野市方面へ向かい、交通量の減った快適な国道158号線のワインディングを楽しむ。
  • 休憩 (道の駅 九頭竜) ライダーの聖地「道の駅 九頭竜」で最初の休憩。動く恐竜と記念撮影を行う。
  • 探求 (福井県立恐竜博物館) 勝山市へ移動し、「福井県立恐竜博物館」へ。世界水準の展示に圧倒される。
  • 昼食 (ソースカツ丼) 勝山市か大野市内で、福井のソウルフード「ソースカツ丼」を堪能する。
  • 神秘 (平泉寺白山神社) 神秘的な「苔の絨毯」が広がる「平泉寺白山神社」で心を静める。
  • フィナーレ (越前大野城) 最後に「越前大野城」を遠望。風情ある城下町をバイクで流すのも一興である。

グルメ│ ソースカツ丼、越前おろしそば。 想定距離・時間│ 約120km、走行時間 約3~4時間(休憩・観光時間を除く)。


福井ツーリング 保存版データ集

ツーリング計画や現地での確認に有用な、各地点の基本情報を一覧にまとめた。スクリーンショットなどで保存し活用されたい。

No.スポット名エリア特徴住所バイク駐車場料金備考
1越前・河野しおかぜライン越前海岸絶景ロード福井県南条郡南越前町~敦賀市沿線に複数有無料元有料道路。交通量少なく快適。
2東尋坊越前海岸断崖絶壁福井県坂井市三国町安島周辺に有(有料・無料混在)散策無料雄島もセットでの観光が推奨される。
3三方五湖レインボーライン若狭絶景ロード福井県三方郡美浜町~若狭町山頂公園に有(有料)通行無料(山頂公園は別途入園料)2022年10月より無料化。ライダー割引の可能性有。
4エンゼルライン若狭絶景ロード福井県小浜市内外海半島山頂に有無料冬季閉鎖有。路面の落石に注意。
5呼鳥門・鉾島越前海岸奇岩越前町・福井市有・無料無料撮影に適した休憩地点。
6九頭竜湖奥越湖・ダム福井県大野市箱ケ瀬沿線に複数有無料新緑、紅葉の時期が特に美しい。
7道の駅 九頭竜奥越休憩・食事福井県大野市朝日26-30-1有・無料(多数)無料ライダーの聖地。動く恐竜が目印。
8福井県立恐竜博物館奥越博物館福井県勝山市村岡町寺尾51-11有・無料(多数)常設展 大人1,000円世界三大恐竜博物館の一つ。
9越前大野城奥越城・歴史福井県大野市城町3-109周辺に有(有料・無料混在)入城料 大人300円天空の城として有名。
10平泉寺白山神社奥越神社・自然福井県勝山市平泉寺町平泉寺56有・無料境内散策無料幻想的な苔の絨毯は必見。
11ヨーロッパ軒 総本店福井市内グルメ福井県福井市順化1-7-4【不明】近隣のコインP利用カツ丼 950円~ソースカツ丼の元祖。
12越前おろしそば(各店)県内各所グルメ店舗による800円前後~夏に適したさっぱりとしたご当地麺。
13どんと屋(敦賀)敦賀グルメ福井県敦賀市若葉町1-1531市場駐車場利用1,500円前後~敦賀の海鮮丼ならここ。行列は必至。
14熊川宿若狭街並み福井県若狭町熊川有・無料散策無料鯖街道の風情ある宿場町。
15瓜割の滝若狭自然・癒し福井県若狭町天徳寺有・無料入園無料名水百選。夏でも冷涼。
(料金や営業時間は変更される可能性がある。訪問の際は公式サイト等で最新情報を確認することが望ましい)

福井の道を、君の道へ

海と山、二つの顔を持つ福井県。そこには、ライダーを飽きさせることのない無限の魅力が詰まっている。無料化され、今が走行好機である海岸スカイロード。交通量が減り、ライダーの楽園と化した山間の快走路。そして、走行後の心と体を満たす、歴史あるソウルフード。

この案内で紹介したのは、数ある福井の魅力のほんの一部に過ぎない。この地図を手に、ぜひ自身の福井ツーリングを計画すべきである。案内にはない、自身だけのお気に入りの道、お気に入りの景色、お気に入りの味が、きっと見つかるに違いない。

道は、そこに存在する。さあ、エンジンを始動し、福井の道を、自身の道とするのだ。安全運転で、最高の旅を。

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